サボ島沖海戦(エスペランス岬海戦)/Battle of Cape Esperance
太平洋戦争(大東亜戦争・第二次世界大戦)中期、大日本帝国海軍は、激しい戦闘が続くガダルカナル島への物資輸送を計画し、輸送部隊とその支援艦隊を送り込んだ。しかし同様に輸送船団を派遣していたアメリカ海軍がこれを察知。夜間のサボ島沖合で両軍が会敵、サボ島沖海戦が繰り広げられることとなった。別名「エスペランス岬海戦」。誤認「ワレアオバ」でも知られる夜戦である。
太平洋戦争(大東亜戦争・第二次世界大戦)中期、大日本帝国海軍は、激しい戦闘が続くガダルカナル島への物資輸送を計画し、輸送部隊とその支援艦隊を送り込んだ。しかし同様に輸送船団を派遣していたアメリカ海軍がこれを察知。夜間のサボ島沖合で両軍が会敵、サボ島沖海戦が繰り広げられることとなった。別名「エスペランス岬海戦」。誤認「ワレアオバ」でも知られる夜戦である。
《大日本帝国海軍:連合艦隊》 [第一艦隊] ◆外南洋部隊支援隊 ◇第六戦隊 ・旗艦:重巡洋艦『青葉』 ・重巡洋艦『衣笠』『古鷹』 ◇第三水雷戦隊 ・第11駆逐隊:駆逐艦『初雪』『吹雪』
《アメリカ合衆国海軍:太平洋艦隊》 ◆第64任務部隊 ◇第2群 ・旗艦:重巡洋艦『サンフランシスコ』 ・重巡洋艦『ソルトレイクシティ』 ・軽巡洋艦『ヘレナ』『ボイシ』 ・駆逐艦『ラフィー』『ブキャナン』『マッカーラ』『ファーレンホルト』『ダンカン』
20時00分、大日本帝国海軍の進撃に備えサボ島沖合を哨戒していたアメリカ艦隊が偵察機を発進させる。しかしこの時、『ソルトレイクシティ』と『ヘレナ』の偵察機が事故により炎上。無事に発艦できたのは『サンフランシスコ』と『ボイシ』の偵察機のみで、充分な索敵を行えないでいた。 20時20分、ガダルカナル島タサファロング泊地に到達した日本海軍の輸送部隊が揚陸作業を開始。支援艦隊はサボ島沖合へ進軍を始める。 21時25分頃、アメリカ艦隊の『ソルトレイクシティ』『ヘレナ』のレーダーが日本海軍の連合艦隊を捉えたが、旗艦である『サンフランシスコ』にまで報告が届いておらず、ノーマン・スコット少将は日本艦隊の接近を知らなかった。 刻々と時間が過ぎていく夜の闇のなか、日本艦隊、アメリカ海軍それぞれに艦影発見の報告が相次ぐ。21時43分、日本艦隊旗艦『青葉』の五藤存知少将は正体不明の艦影を味方であると信じ「ワレアオバ」の発光信号を送らせたが反応がない。この時、アメリカ艦隊のノーマン・スコット少将も、発見した艦影が味方である可能性を考慮し射撃許可を出せずにいた。 互いまでの距離が約3475mまで接近した21時46分、ノーマン・スコット少将の曖昧な返事を射撃が許可されたと解釈したアメリカ艦隊がついに一斉砲撃を開始。その様子を『青葉』の艦橋から双眼鏡で覗いていた航海長が「これは敵です!敵です!!」と絶叫する。 互いに味方だと思っていた艦影が、突如として攻撃目標に変わる。恐怖にも似た焦燥のなかでサボ島沖海戦は開始された。
夜の闇が一斉に赤く染まる。このサボ島沖海戦におけるアメリカ艦隊の先制砲撃初弾がいきなり連合艦隊側の旗艦『青葉』の艦橋に直撃。不発だったが、そこにいたほとんどの乗員を戦死させ、五藤存知少将も左足切断の重症を負った。 司令部が一瞬で壊滅した後も次々と砲弾が撃ち込まれ、『青葉』はもちろん、応戦した『古鷹』『吹雪』も大破。そして『ファーレンホルト』『ダンカン』もまた味方であるアメリカ艦隊の砲撃を受け大破した。 機関がかろうじて無事だった『青葉』『古鷹』は煙幕を展開しつつなんとかその海域を離脱したが、『吹雪』は炎上し大爆発の末に沈没。『ダンカン』もその後、炎上しながら沈没した。 不利な状態で砲火を浴びることを懸念した『衣笠』は、あえて旗艦の『青葉』に続かず、艦隊を離れた状態で独自に反撃を開始。22時17分に互いを見失うまで『ソルトレイクシティ』『ボイシ』と砲撃戦を繰り広げ、『ボイシ』を大破させる。その後の00時28分、大破し航行不能に陥っていた連合艦隊駆逐艦『古鷹』が静かに沈んでいった。 このサボ島沖海戦の翌朝、出血が酷かった五藤存知少将は退却中の艦上にて死亡。『青葉』が艦橋に受けたあの初弾が味方からのものだったと信じたままで、「馬鹿者、馬鹿者」と呟きながら絶命したとされている。珊瑚海海戦、第一次ソロモン海戦を戦い抜いた歴戦の将官であったが、その最期は、息途絶えるまで味方を想いながらの、無念の死となった。
日本海軍>> 【沈没】:『古鷹』『吹雪』 【大破】:『青葉』 【小破】:『衣笠』 アメリカ海軍>> 【沈没】:『ダンカン』 【大破】:『ボイシ』『ファーレンホルト』 【小破】:『ソルトレイクシティ』