駆逐艦【吹雪/Fubuki】竣工:1928年8月10日

大日本帝国海軍 連合艦隊 :駆逐艦『吹雪』

大日本帝国海軍連合艦隊の駆逐艦【吹雪/Fubuki】

大日本帝国海軍連合艦隊の駆逐艦『吹雪/ふぶき』は、吹雪型駆逐艦の1番艦。艦名の吹雪は、雪の粒子が風によって空中を舞う現象を指す。太平洋戦争(大東亜戦争・第二次世界大戦)では数々の海戦に参加。シンガポール方面では、イギリス艦艇を多数撃沈するなど小規模戦闘でも戦果を上げている。1942年10月11日、サボ島沖海戦にて集中砲火を受け、大火災の末に爆沈。

日本海軍:駆逐艦『吹雪』の性能

駆逐艦吹雪は1926年6月19日に舞鶴工作部にて起工、1928年8月10日に竣工した。吹雪型駆逐艦の分類ではⅠ型とも呼ばれる。主機は純国産の艦本式タービン2基を搭載。主砲は荒天時にも対応可能な全周囲シールドを備えた50口径三年式12.7cmA型平射砲を採用した。魚雷発射管は前艦型同様、一二年式61cm水上発射管を装備したが、魚雷は九〇式に更新された。 ■全長:118.5m ■全幅:10.36m ■乗員:219人 ■排水量:1,980t ■巡航能力 □速力:38.0kt □航続距離:9,260km(14kt) ■戦時最終兵装 □50口径三年式12.7cmA型連装砲:3基 □九二式7.7mm機銃:2挺 □一二年式61cm3連装水上発射管:3基 □九〇式魚雷

駆逐艦『吹雪』の活躍と戦果

太平洋戦争開戦時、駆逐艦吹雪第11駆逐隊に所属し南方作戦に参加、主に船団護衛に従事した。1942年1月にはエンドウ沖海戦に参加し、他艦艇と共にイギリス海軍駆逐艦『サネット』を撃沈。その後、吹雪はスマトラ攻略を支援するためシンガポール方面へと向かう。 2月13日、駆逐艦吹雪は朝霧と共にイギリス海軍砲艦『スコーピオン』を撃沈、翌日には哨戒艇『トラング』『リ・ウォ』を撃沈した。さらにその翌日にはイギリス海軍の敷設艦と駆潜艇を撃破するなどの戦果も上げた。 続くスラバヤ沖海戦では第五水雷戦隊の指揮下でジャワ島攻略を支援し、オランダ監視艇『レイゲル』と掃海艇1隻を撃破。3月1日のバタビア沖海戦では吹雪も艦隊戦に参加し、アメリカ海軍重巡洋艦『ヒューストン』とオーストラリア海軍『パース』の撃沈に貢献した。 その後、セイロン沖海戦、ミッドウェー海戦を経て、吹雪はガダルカナル島への輸送作戦(鼠輸送)に参加し、これを成功させた。

駆逐艦『吹雪』の最後

駆逐艦吹雪の闘いは、1942年10月11日のサボ島沖海戦で幕を閉じる。日本軍とアメリカ軍それぞれが命を散らしながら泥沼の攻防を繰り広げるガダルカナル島。混迷極まる海域のなかで、大日本帝国海軍・第6戦隊3隻、第11駆逐隊2隻は唐突に敵艦隊と会敵した。 両者ともにしばらく敵味方の区別がつかぬまま、21時46分、先に砲撃を開始したのはアメリカ艦隊であった。このとき、運悪く敵艦隊の最も近くにいたのが吹雪である。被弾し爆発炎上、さらに集中砲火を浴びながらも右旋回を試みる吹雪だが、ついに大爆発の末についに沈没していった。 駆逐艦吹雪の沈没については、後に残された記録として日本側では22時13分、アメリカ側では21時53分という違いがあるが、炎上大爆発の末に沈没したという点は共通している。いずれにしても、戦闘開始から30分にも満たないわずかな時間であった。 吹雪の除籍により、吹雪型駆逐艦の艦級は白雪型駆逐艦に変更されることとなった。

『吹雪』が参加した海戦
エンドウ沖海戦 エンドウ沖でABDA艦隊を迎撃!
バタビア沖海戦 蘭印作戦を成功に導いた海戦!
セイロン沖海戦 インド洋で連合艦隊怒涛の攻撃!
ミッドウェー海戦 太平洋戦争の勝敗を決定づけた海戦!
サボ島沖海戦 疑念を拭えない両軍将官の葛藤

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