珊瑚海/Coral Seaww2:1942年5月7日~8日

珊瑚海海戦/Battle of the Coral Sea

珊瑚海海戦の戦闘経過

珊瑚海海戦は、大日本帝国海軍連合艦隊ABDA(連合国軍)艦隊により珊瑚海で展開された、人類史上初となる空母同士の艦隊戦。両艦隊ともに相手の艦船を視界に入れることなく戦闘が進められた。また、この珊瑚海海戦では、太平洋戦争(大東亜戦争・第二次世界大戦)における最強の零戦パイロットといわれた撃墜王・岩本徹三一飛曹も参加した。

珊瑚海海戦での各国の参加艦艇

【日本海軍】 ■指揮官 「井上成美中将」「五藤存知少将」「高木武雄少将」「原忠一少将」「丸茂邦則少将」「山田定義少将」 ▼空母:3隻 『瑞鶴』『翔鶴』『祥鳳』 ▼重巡洋艦:6隻 『妙高』『羽黒』『青葉』『加古』『衣笠』『古鷹』 ▼軽巡洋艦:2隻 『鹿島(旗艦)』『夕張』 ▼駆逐艦:12隻 『有明』『夕暮』『時雨』『白露』『』『』『』『追風』『朝凪』『睦月』『望月』『弥生』 ▼特設水上機母艦:1隻 『神川丸』  VS 【アメリカ海軍】 ■指揮官 「F・J・フレッチャー少将」「A・W・フィッチ少将」「J・G・クレース少将」 ▼空母:2隻 『ヨークタウン(旗艦)』『レキシントン』 ▼重巡洋艦:6隻 『ミネアポリス』『ニュー・オーリンズ』『アストリア』『チェスター』『ポートランド』『シカゴ』 ▼駆逐艦:13隻 『モリス』『アンダーソン』『ハンマン』『ラッセル』『フェルプス』『デューイ』『ファラガット』『エイルウィン』『モナハン』『パーキンス』『ウォーク』『ウォーデン』『シムス』 ▼水上機母艦:1隻 『タンジール』 ▼給油艦:1隻 『ネオショー』 【オーストラリア海軍】 ▼重巡洋艦:1隻 『オーストラリア』 ▼軽巡洋艦:1隻 『ホバート』

日本軍の部隊・艦隊編成

《大日本帝国海軍:連合艦隊》 [第四艦隊/南洋部隊] ◆独立旗艦 ・練習巡洋艦『鹿島』 ◆MO機動部隊(※旗艦:妙高) ◇第五航空戦隊 ・空母『瑞鶴』『翔鶴』 ◇第五戦隊(※所属:第二艦隊) ・重巡洋艦『妙高』『羽黒』 ◇第十戦隊(※所属:第一航空艦隊) ・第7駆逐隊:駆逐艦『潮』『曙』 ◇第一水雷戦隊(※所属:第一艦隊) ・第27駆逐隊:駆逐艦『有明』『夕暮』『時雨』『白露』 ◆MO攻略部隊 ◇第四航空戦隊(※所属:第一航空艦隊) ・空母『祥鳳』 ◇第六戦隊(所属:第一艦隊) ・重巡洋艦『青葉』『加古』『衣笠』『古鷹』 ◇第十戦隊(※所属:第一航空艦隊) ・第7駆逐隊:駆逐艦『漣』 ◇第六水雷戦隊 ・旗艦:軽巡洋艦『夕張』 ・第29駆逐隊:駆逐艦『追風』『朝凪』 ・第30駆逐隊:駆逐艦『睦月』『望月』『弥生』

連合国軍の部隊・艦隊編成

《アメリカ合衆国海軍:太平洋艦隊》 ◆第17任務部隊(※旗艦:ヨークタウン) ◇第2群 ・重巡洋艦『ミネアポリス』『ニュー・オーリンズ』『アストリア』『チェスター』『ポートランド』 ・駆逐艦『フェルプス』『デューイ』『ファラガット』『エイルウィン』『モナハン』 ◇第3群 ・重巡洋艦『オーストラリア』『シカゴ』 ・軽巡洋艦『ホバート』 ・駆逐艦『パーキンス』『ウォーク』 ◇第5群 ・空母『ヨークタウン』『レキシントン』 ・駆逐艦『モリス』『アンダーソン』『ハンマン』『ラッセル』 ◇第6群 ・油槽船『ネオショー』 ・駆逐艦『ウォーデン』『シムス』 ◇第7群 ・水上機母艦『タンジール』

珊瑚海海戦での空母『瑞鶴』護衛に"零戦虎徹"岩本徹三

空母『瑞鶴』戦闘機隊搭乗員の集合写真 ※写真画像:2列目右端が岩本徹三一飛曹/空母『瑞鶴』戦闘機隊搭乗員の集合写真 珊瑚海海戦には、"零戦虎徹"の異名を持つ最強の零戦パイロット岩本徹三一飛曹も空母『瑞鶴』の上空直掩として参加した。 岩本徹三は、支那事変と太平洋戦争における撃墜王で、敵機撃墜数は最終的に202機ともいわれている。編隊での優位な位置からの一撃離脱戦法を得意としていたという。また、格闘戦に絶対的な自信を持ち、単騎でF6F戦闘機4機と戦い全て撃墜したなどの逸話も残している。 部下には、「どんな場合でも、実戦で墜されるのは不注意による」と見張りの重要さを教え、索敵方法などを指導していた。岩本徹三独自の手法として、アメリカ軍機の機上電話を傍受し、その強弱から会敵までの距離を予測するという、一風変わった電子戦も用いていたという。

混乱の珊瑚海海戦!空母祥鳳沈没、誤着艦に誤爆撃も

珊瑚海海戦初日となる5月7日4時00分、空母『瑞鶴』『翔鶴』から偵察機12機が発進、5時30分頃にアメリカ軍空母、重巡洋艦、給油艦を発見し報告する。これを受け、6時15分に『瑞鶴』『翔鶴』から「零式艦上戦闘機」18機、「九九式艦上爆撃機」36機、「九七式艦上攻撃機」24機からなる攻撃隊が出撃しその地点へ向かうも、そこにいたのは空母ではなく給油艦の『ネオショー』と、重巡洋艦ではなく駆逐艦の『シムス』だった。 この誤報に混乱した司令部は零式艦上戦闘機、九七式艦上攻撃機を帰投させ、9時30分、九九式艦上爆撃機36機のみに攻撃命令を下した。この際の急降下爆撃により『シムス』が轟沈、『ネオショー』も大破し航行不能に。 アメリカ艦隊側でも7時35分以降から、日本海軍の空母を巡洋艦と報告するなど、索敵機の送信ミスによる誤報で混乱が生じていた。しかしやがて正確な情報を得たF・J・フレッチャー少将は、空母『ヨークタウン』『レキシントン』から発艦していた「F4Fワイルドキャット戦闘機」18機、 「SBDドーントレス急降下爆撃機」52機、「TBDデバステーター雷撃機」22機の攻撃目標を変更、『祥鳳』をターゲットに定める。 その後、来襲した92機ものアメリカ軍機の徹底的な攻撃により、『祥鳳』は9時31分に沈没。珊瑚海海戦においてこの瞬間、『祥鳳』はアメリカが沈めた史上初の空母となり、また大日本帝国にとっては快進撃の夢から覚める大きな要因となった。 珊瑚海海戦で攻撃を受ける空母祥鳳 ※写真画像:激しい攻撃を受ける空母祥鳳/珊瑚海海戦 午後は、索敵機が発見した『オーストラリア』『シカゴ』『ホバート』『パーキンス』『ウォーク』からなるABDA艦隊へ向け、27機の攻撃隊が『瑞鶴』から出撃するも、目標とする海域の悪天候により途中で断念。しかしその航空機群をレーダーで捉えたアメリカ艦隊は『ヨークタウン』『レキシントン』から迎撃機20機を発進させた。 両軍の航空機群は16時10分に会敵、約10分間の航空戦の末、日本側は敵機を2機撃墜するも「九七式艦上攻撃機」8機を喪失。さらに空母へ帰還する際、日没後の暗闇だったせいもあってか間違えて『ヨークタウン』『レキシントン』に誤着艦しそうになるというトラブルも。またABDA艦隊側では、オーストラリア本土から飛来した味方の「B-17爆撃機」が誤ってABDA艦隊を爆撃するという珍事も発生した。

珊瑚海海戦の勝敗を僅差で分けた空母レキシントン撃沈

珊瑚海海戦開始から2日目の6時22分、『翔鶴』から飛び立った索敵機がアメリカ艦隊を発見、正確な位置を特定した。しかし同時にアメリカ艦隊側も日本艦隊を発見し位置を割り出していた。 6時48分、『ヨークタウン』『レキシントン』から「F4Fワイルドキャット戦闘機」15機、「SBDドーントレス急降下爆撃機」46機、「TBDデバステーター雷撃機」21機が出撃。しかしこの後、悪天候により計22機が帰投することとなる。珊瑚海海戦5月8日は、前日とは逆に、天候は連合艦隊側に味方していた。レーダーのない日本艦隊は、それより遅れて7時30分に『瑞鶴』『翔鶴』から「零式艦上戦闘機」18機、「九九式艦上爆撃機」33機、「九七式艦上攻撃機」18機を発進させた。 途中、両軍の航空機群同士が遭遇するも、それぞれの攻撃目標である空母を叩くため互いに無視しすれ違う。 8時30分頃、アメリカ艦隊の攻撃隊が『瑞鶴』と『翔鶴』を発見し攻撃態勢に移るも『瑞鶴』がスコールに隠れたため、後方にいた『翔鶴』のみに狙いを定めることとなった。9時00分、美しい珊瑚海の空で、空母を守る零戦隊とアメリカ軍攻撃隊による激しい空中戦が開始される。 両軍の航空機が次々と火を吹き墜ちていく壮絶な乱戦のなか、ついに『翔鶴』に爆弾が命中する。甲板が破壊され燃料庫に引火、激しく炎上する『翔鶴』であったが、機関は無事で魚雷による攻撃はことごとく回避した。 9時15分、日本艦隊から出撃した攻撃隊もアメリカ軍空母2隻を発見し直ちに攻撃を開始した。同様に上空で両軍の死闘が展開されるなか、激しい防空をかいくぐった爆撃機の放った爆弾1発が『ヨークタウン』に命中。飛行甲板を貫通後に内部で爆発し、火災を発生させた。『レキシントン』には爆弾2発と魚雷2本が命中し大破、炎上させることとなった。 珊瑚海海戦で大破炎上する空母レキシントン ※写真画像:大破炎上する空母レキシントン/珊瑚海海戦 この一連の攻撃で被害が甚大となった連合艦隊側は追撃を断念。同様にABDA艦隊も撤退を決定したその時、『レキシントン』内部で気化したガソリンが発電機の電気スパークにより引火、大爆発を起こす。弾薬庫も誘爆し凄まじい爆発を繰り返した『レキシントン』は17時56分、駆逐艦『フェルプス』の雷撃により処分された。 この珊瑚海海戦において、大日本帝国海軍連合艦隊は、その戦果としてはかろうじて勝利したかたちになったが、撤退を余儀なくされたことでこれまで続いた快進撃はここにきて停滞する。 激しい乱戦のなか空母『瑞鶴』を守りきった岩本徹三一飛曹も、「さびしい。涙がにじむ。このように一度に多数の戦友を失ったのははじめてだ」と悲嘆の言葉を残した。

珊瑚海海戦での各国の損害状況

日本海軍>> 【沈没】:『祥鳳』 【中破】:『翔鶴』 アメリカ海軍>> 【沈没】:『レキシントン』『シムス』『ネオショー』 【中破】:『ヨークタウン』 オーストラリア海軍>> 被害なし

◆ホーム:大日本帝国海軍 連合艦隊 WORLD WAR 2:太平洋戦争 海戦の記録

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