Guadalcanal, Solomon Islandsww2:1942年11月12日~14日

第三次ソロモン海戦/Naval Battle of Guadalcanal

第三次ソロモン海戦

大日本帝国軍アメリカ軍が泥沼のような攻防を繰り広げる太平洋戦争(大東亜戦争・第二次世界大戦)中期のソロモン諸島ガダルカナル島。両軍艦艇が多数集結するなかで互いの水上兵力が引き合うように遭遇、第三次ソロモン海戦が勃発した。別名「ガダルカナル海戦」。両軍の熾烈を極める死闘により、ソロモンが船の墓場と化す。

第三次ソロモン海戦での各国の参加艦艇

【日本海軍】 ■指揮官 「阿部弘毅中将」「近藤信竹中将」 ▼戦艦:2隻 『比叡』『霧島』 ▼重巡洋艦:2隻 『愛宕』『高雄』 ▼軽巡洋艦:2隻 『長良』『川内』 ▼駆逐艦:18隻 『初雪』『朝雲』『照月』『白雪』『』『』『五月雨』『敷波』『浦波』『雪風』『天津風』『村雨』『春雨』『時雨』『白露』『夕暮』『』『夕立』『綾波』  VS 【アメリカ海軍】 ■指揮官 「ダニエル・J・キャラハン少将」「ウィリス・A・リー少将」 ▼戦艦:2隻 『ワシントン』『サウスダコタ』 ▼重巡洋艦:2隻 『サンフランシスコ』『ポートランド』 ▼軽巡洋艦:3隻 『へレナ』『アトランタ』『ジュノー』 ▼駆逐艦:12隻 『フレッチャー』『オバノン』『ステレット』『グウィン』『アーロンワード』『バートン』『モンセン』『ベンハム』『プレストン』『ウォーク』『カッシング』『ラフィー』

第三次ソロモン海戦・闇夜の死闘

第三次ソロモン海戦の舞台となったのは、太平洋戦争(大東亜戦争・第二次世界大戦)においての激戦の地、ソロモン諸島ガダルカナル島。11月12日、この島内にあるアメリカ軍ヘンダーソン飛行場基地を砲撃するために編成された大日本帝国海軍挺身艦隊は、22時40分、目標とする海域に到達した。この時、月のない闇夜のなかで挺身艦隊の陣形は乱れており、充分な警戒態勢をとれてはいなかった。 そんな折の23時24分、最新式SGレーダーを搭載したアメリカ艦隊軽巡洋艦『へレナ』が日本艦隊を捕捉。しかしその6分後、艦隊を先導する駆逐艦『カッシング』に日本艦隊駆逐艦『春雨』『夕立』が急接近し、『カッシング』が突然針路を変更したため、アメリカ艦隊は混乱に陥り始める。 一方、日本海軍挺身艦隊も『春雨』『夕立』により、この時はじめてアメリカ艦隊を発見した。目の前に突然現れた敵大艦隊に挺身艦隊は驚愕。戦艦『比叡』『霧島』は、ガダルカナル島を砲撃するための対地攻撃用三式弾を装填したままであったが、阿部弘毅中将は、対艦用徹甲弾に切り替える時間はないと判断し、即座に射撃命令を下した。 アメリカ艦隊側では、ダニエル・J・キャラハン少将が「奇数番艦は右砲戦、偶数番艦は左砲戦」という命令を出したが、この時既に陣形が崩れた状態であったため、より一層の混乱に陥ることとなる。 両軍それぞれが意図しなかった状況に直面するなか、第三次ソロモン海戦の火蓋は切って落とされた。

誤射相次ぐ乱戦!降り注ぐ砲弾の雨

まず、アメリカ艦隊の軽巡洋艦『アトランタ』が、日本艦隊の砲撃・雷撃と、旗艦『サンフランシスコ』の誤射を受けて大破する。ちなみに『サンフランシスコ』は、この時19発もの砲弾を撃ち込んでいたという。さらに、誤射に気付き砲撃中止命令を出すも、なぜか全軍に通信され、アメリカ艦隊の攻撃が一時中断されるというトラブルも。 艦橋が吹き飛び艦長や幹部が全滅した『アトランタ』は戦闘不能となり、また、その至近距離まで斬り込んでいた駆逐艦『暁』は集中砲火を受け大破炎上、大爆発の末に沈没した。これに続いて駆逐艦『雷』『春雨』『ステレット』も砲弾を受け損傷する。 旗艦『比叡』もアメリカ艦隊の一斉攻撃を浴び大破。しかし炎上し様々な機器が故障、指揮官・阿部弘毅中将が負傷するもかろうじて航行は可能であり、そのまま戦場を離脱していった。ちなみにこの時、駆逐艦『五月雨』が『比叡』を誤射し、さらに『比叡』からの反撃を受けていたという。 両軍艦船が入り乱れ、凄まじい数の砲弾・魚雷が飛び交う乱戦のなかで、駆逐艦『照月』は『カッシング』を撃沈。『比叡』と距離10mで撃ち合ったという駆逐艦『ラフィー』は、さらに戦艦『霧島』の懐へ斬り込むも、多数の砲弾や魚雷を浴び、ついに沈没した。 その後、『霧島』と駆逐艦『雷』『電』『照月』は敵艦隊旗艦『サンフランシスコ』を一斉攻撃。『霧島』の三斉射のうちの一発が艦橋に命中し、艦隊司令官ダニエル・J・キャラハン少将や幕僚幹部らもろとも吹き飛ばした。

駆逐艦『夕立』決死の一点突破

23時55分、単騎で突入する『夕立』の放った魚雷が重巡洋艦『ポートランド』に命中し大破、さらに駆逐艦『アーロンワード』にも至近弾を浴びせ大破させる。『夕立』はそのままアメリカ艦隊の中央を強行突破しながら攻撃を行うが、敵か味方かもわからない判別不能の砲弾を受け損傷、航行不能となる。 その『夕立』に狙いを定め砲撃していた軽巡洋艦『ジュノー』は、駆逐艦『天津風』の魚雷を受け大破。そして『天津風』は『へレナ』の砲撃を被弾し射撃装置を損傷、戦闘不能に。この間、前方を横切る『へレナ』や『アーロンワード』との追突を避けるため機関を一時停止した駆逐艦『バートン』に魚雷が命中し轟沈。駆逐艦『モンセン』も集中砲火を受け沈没した。 日付が変わり11月13日1時25分、日本軍挺身艦隊に退避命令が下り、各艦は散り散りになりながら戦闘海域を離脱していった。 その後、航行不能となっていた『夕立』はアメリカ艦隊の攻撃により沈没。『ジュノー』は『伊26』に雷撃で撃沈され、『アトランタ』は自沈処分された。 『比叡』は航行は可能であったが速力が著しく低下し、さらに直進ができない状態であり、そこを敵航空機群に狙われた。駆逐艦『雪風』『照月』『時雨』『白露』『夕暮』、零戦隊などが護衛するも、執拗な空襲により次々と爆弾や魚雷が命中した『比叡』は、夕焼けを背景に、ついに傾斜し始める。 同日23時頃、一時離脱していた駆逐艦部隊が戻ると、そこには既に『比叡』の艦影は見当たらなかった。

再び挑んだガダルカナル島への砲撃・揚陸作戦

大日本帝国海軍は、11月12日から13日にかけての夜戦でアメリカ海軍第67任務部隊に大打撃を与えたが、戦艦2隻によるガダルカナル島への砲撃は阻止されるかたちになった。その代償として、未だ正常に機能しているヘンダーソン飛行場基地から飛来したアメリカ軍機の攻撃により別動隊の重巡洋艦『衣笠』が撃沈され、輸送船団も多大な被害を受けてしまう。ちなみにその空襲には、南太平洋海戦で損傷しボロボロの状態のままの空母『エンタープライズ』も参加していた。 ガダルカナル島へ輸送船団による揚陸を行うためには、まずヘンダーソン飛行場基地を壊滅させなければならない。日本海軍は艦隊を再編し、再びガダルカナル島を砲撃するための艦隊を出撃させた。一方、アメリカ海軍も、それを阻止するための艦隊を差し向ける。 11月14日20時頃より、近藤信竹中将率いる日本艦隊と、ウィリス・A・リー少将率いるアメリカ艦隊が、互いの艦影を続々と発見し始める。

第三次ソロモン海戦再発!戦艦同士の戦い

21時19分、戦艦『ワシントン』『サウスダコタ』の一斉射撃を皮切りに、第三次ソロモン海戦が再開された。両軍艦船の砲門が一気に火を吹くなか、それから間もなく、砲雷撃により駆逐艦『グウィン』が損傷し、『ウォーク』『ベンハム』『プレストン』がそれぞれ沈没。駆逐艦『綾波』は砲撃を受け炎上、大爆発を起こす。 戦艦同士の砲撃戦も展開された。21時50分、重巡洋艦『愛宕』『高雄』と共に『霧島』は『サウスダコタ』を攻撃。主砲などの命中弾により『サウスダコタ』は大破炎上、戦闘不能となる。しかし距離を置いて航行していた『ワシントン』にとっては、『霧島』がこの時点灯させたサーチライトは格好の標的となった。即座に40cm砲9門による一斉射撃を行い、その後2度の斉射が命中、『霧島』で爆発が起こった。『ワシントン』はさらに『愛宕』『高雄』も砲撃し命中弾を得た。 炎上する『霧島』をよそに、『サウスダコタ』は戦場を離脱。『ワシントン』は単騎で日本軍輸送船団を追うも、偶然、日本艦隊の撤退方向と重なり、再び『愛宕』『高雄』と砲撃戦を繰り広げる。そのなかで1発の砲弾が『ワシントン』に命中し、軽微な損傷を与えた。22時30分、駆逐艦部隊にも追跡され、リスクを考慮した『ワシントン』は、反転し海域を離脱。浸水が激しく航行不能となった『霧島』は、翌日1時20分頃、転覆し沈んでいった。 こうして、ヘンダーソン飛行場基地への砲撃はまたしても失敗に終わるかたちとなった。その後、日本軍輸送船団は、ほとんど独断で、揚陸地点に船を座礁させ無理やり揚陸するという手段にでる。結果、兵力2000の他、弾薬や食糧の揚陸には成功したが、アメリカ軍機による爆撃などで輸送船団は壊滅した。 この第三次ソロモン海戦の舞台となった海域は「アイアンボトム・サウンド(鉄底海峡)」、通称"船の墓場"と呼ばれ、その海底には今もなお、多くの船が静かな眠りについている。

第三次ソロモン海戦での各国の被害状況

日本海軍>> 【沈没】:『比叡』『霧島』『綾波』『夕立』『暁』 【中破】:『天津風』『雷』 【小破】:『愛宕』『高雄』『春雨』 アメリカ海軍>> 【沈没】:『アトランタ』『ジュノー』『バートン』『モンセン』『ベンハム』『プレストン』『ウォーク』『カッシング』『ラフィー』 【大破】:『サウスダコタ』『サンフランシスコ』『ポートランド』『アーロンワード』 【中破】:『ステレット』『グウィン』 【小破】:『ワシントン』『へレナ』『オバノン』

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