大日本帝国海軍 連合艦隊
:航空機『桜花/特別攻撃機』
※写真画像:桜花22型
特別攻撃機『桜花/おうか』は、大日本帝国海軍連合艦隊が太平洋戦争(大東亜戦争・第二次世界大戦)で運用した航空機である。英名はYokosuka MXY-7 Ohka。海軍航空技術廠が設計を行い、航空特攻兵器として805機が生産された。
母機から分離後、ロケットエンジン(※桜花22型以降はジェットエンジン)を作動させ敵艦艇に突撃するという恐るべき兵器で、連合国側からは、"愚か者"という意味を込めて「Baka Bomb」とも呼ばれた。多数の駆逐艦を撃破、あるいは撃沈するなど相応の成果を上げたが、発進前に母機の『一式陸上攻撃機』ごと撃墜されるケースも少なくなかったという。
特攻兵器『桜花』の設計を担当した三木忠直は、終戦後に鉄道技術者に転身、新幹線を開発したことでも知られる。ちなみに、三木忠直は『桜花』を開発したことについては後悔していたとされる。
日本海軍「桜花11型/特別攻撃機」の性能
桜花11型は、専用に改造された一式陸上攻撃機24型丁に吊るされ出撃、目標に近づいてから分離して発射し、搭乗員ごと突っ込んで機首の大型徹甲爆弾により敵を破壊する特攻兵器であった。
ゴム状の固形燃料によって作動する4号1式噴進機(20型火薬ロケット)を3基搭載し、1基あたり8秒程度の加速ができたという。加速時の最高滑空速度は983km/hにもなり、アメリカ軍にとって脅威の存在となった。桜花の迎撃はほぼ不可能とされたため、母機である一式陸攻が徹底して狙われた。
桜花11型は、1945年3月17日に正式採用されて以降755機が量産された。そのうち、実戦に投入されたのは55機であったとされている。
■全長:6.07m
■全幅:5.12m
■全高:1.16m
■翼面積:6.00m2
■自重:440kg
■全備重量:2,140kg
■飛行能力
□最高速度:648km/h
□航続距離:37km
■基本武装
□機首1,200kg徹甲爆弾
日本海軍「桜花22型/特別攻撃機」の性能
桜花22型は、母機を銀河に変更し、駆動方式をツ11モータージェットエンジンとした改良型である。これにより、11型の問題点であった航続距離の短さが改善されたが、重量削減のため爆弾搭載量は半減となった。
桜花22型は50機が生産されたが、ツ11の製造が軌道に乗らず量産には至らなかった。また、実戦に投入される機会もなかったとされている。
■全長:7.00m
■全幅:4.00m
■全高:1.00m
■翼面積:4.00m2
■自重:不明
■全備重量:1,580kg
■飛行能力
□最高速度:555km/h
□航続距離:120km
■基本武装
□機首600kg徹甲爆弾
日本海軍「桜花43乙型/特別攻撃機」の性能
桜花43乙型は、陸上基地からのカタパルト発射によって飛行し目標へ突撃する、桜花の最終型である。ネ20ターボジェットエンジンを搭載し、自力での飛行が可能であったという。また、突撃時には翼端を火薬で切り離しさらに加速度を上昇させる構造となっていた。
桜花43乙型は量産準備に入り、地上発射用の基地も複数完成していたが、その最中に終戦を迎えたため実際に出撃する機会はなかった。
■全長:8.00m
■全幅:9.00m
■全高:1.30m
■翼面積:13.00m2
■自重:不明
■全備重量:2,600kg
■飛行能力
□最高速度:555km/h
□航続距離:278km
■基本武装
□機首800kg徹甲爆弾
日本海軍「桜花/特別攻撃機」の現存機
桜花の現存機としては、日本では埼玉県入間市の航空自衛隊入間基地内「教育講堂 新修武台記念館」、アメリカではワシントンの「国立米海軍博物館」、「スミソニアン博物館」、カリフォルニア州「プレーンズ・オブ・フェイム航空博物館」、イギリスではマンチェスターの「科学産業博物館」やコスフォードの「イギリス空軍博物館」など、様々な場所に当時の機体が残されている。
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