大日本帝国海軍 連合艦隊
:航空機『九六式陸上攻撃機』
※写真画像:九六式陸上攻撃機二一型
『九六式陸上攻撃機/九六式陸攻』は、大日本帝国海軍連合艦隊が運用した航空機である。英名はMitsubishi G3M。三菱重工業が設計を行い、陸上攻撃機として1,048機が生産された。『九六式陸上攻撃機』は、1937年の支那事変から太平洋戦争(大東亜戦争・第二次世界大戦)緒戦まで、最前線で活躍し多くの戦果を上げた。また、輸送用に改造された九六式陸上輸送機も、日本海軍空挺部隊を運搬するなど前線で活躍した。
支那事変で『九六式陸上攻撃機』が実施した遠距離爆撃は渡洋爆撃と呼ばれ、"世界的快挙"として大々的に報道されたという。この渡洋爆撃によって、日本の航空技術が欧米と同等かそれ以上であることを世界に知らしめる結果となった。
日本海軍「九六式陸上攻撃機11型」の性能
九六式陸上攻撃機は、沈頭鋲を採用した全金属製のスリムな機体に引込式の主脚など、空気抵抗や燃費の低減に重点を置き設計された長距離爆撃機である。自動操縦装置や帰投方位測定機も装備していたとされる。
プロペラはアメリカ製のものを住友金属がライセンス生産した油圧式可変ピッチプロペラを採用。発動機は三菱重工業の深尾淳二技師らが開発した金星3型空冷星型エンジンを搭載した。
試作機である八試特殊偵察機の製作、八試中型攻撃機への改称を経て、1935年7月に九六式陸上攻撃機11型として正式採用された。
■全長:16.45m
■全幅:25.00m
■全高:3.685m
■翼面積:75.0m2
■自重:4,770kg
■全備重量:7,642kg
■飛行能力
□最高速度:348km/h
□航続距離:2,854km/4,550km(過荷重)
■基本武装
□九二式7.7mm旋回機銃:前方1挺
□九二式7.7mm旋回機銃:後方2挺
▼選択武装
□800kg爆弾:1発
□500kg爆弾:1発
□250kg爆弾:2発
□60kg爆弾:12発
□九一式45cm航空魚雷:1本
日本海軍「九六式陸上攻撃機21型」の性能
九六式陸上攻撃機21型は、発動機を金星42型空冷星型エンジンへ換装し、プロペラ直径を3.20mに変更した改良型である。また、この九六式陸攻21型をベースに燃料・滑油タンクの増設、武装削減、客室設置などの改造を実施した九六式陸上輸送機も採用された。
■全長:16.45m
■全幅:25.00m
■全高:3.685m
■翼面積:75.0m2
■自重:4,965kg
■全備重量:7,778kg
■飛行能力
□最高速度:373.2km/h
□航続距離:4,379km
■基本武装
□九二式7.7mm旋回機銃:胴体1挺
□九二式7.7mm旋回機銃:側方2挺
□九九式20mm旋回機銃:後部1挺
▼選択武装
□800kg爆弾:1発
□500kg爆弾:1発
□250kg爆弾:2発
□60kg爆弾:12発
□九一式45cm航空魚雷:1本
日本海軍「九六式陸上攻撃機23型」の性能
九六式陸上攻撃機23型は九六式陸攻の最終型である。発動機を、初期型から大幅に改良された金星51型空冷星型エンジンへ換装したことで飛行性能が向上している。生産数が最も多く、中島飛行機により412機が生産された。
■全長:16.45m
■全幅:25.00m
■全高:3.685m
■翼面積:75.0m2
■自重:5,243kg
■全備重量:8,000kg
■飛行能力
□最高速度:416km/h
□航続距離:6,228km
■基本武装
□九二式7.7mm旋回機銃:胴体1挺
□九二式7.7mm旋回機銃:側方2挺
□九九式20mm旋回機銃:後部1挺
▼選択武装
□800kg爆弾:1発
□500kg爆弾:1発
□250kg爆弾:2発
□60kg爆弾:12発
□九一式45cm航空魚雷:1本
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